「死」と直面し目をそむけず<BR>「死」と対話を繰り返し<BR>自らの体と精神を真っ向から「死」への研究<BR>死にゆく人への癒し、その体験を人々へ伝えることに<BR>捧げた偉人、エリザベス・キューブラー・ロスの生き様を<BR>誠実に描いた一冊である。<P>その真摯な眼差し<BR>一人の人間のパワーとは到底思えない活動力<BR>行動を起こしては阻害され、それでもめげずに<P>それを「試練」として受け止める<BR>強靭な精神の裏にあるものは何か。<P>それは「愛」に他ならない。<P>死への五段階を経て安らかな光の世界へ羽を広げる<BR>蝶の象徴。<BR>その最期があるからこそ今ここにある命の意味が解かれる。<BR>命あるうちにする使命は愛を与えること<BR>愛を与えるにはまず自分をゆるすこと、愛すること<P>キリスト教的な部分もあり、カルト的な部分も<BR>隠すことなく書かれているが<BR>根本思想は熱く伝わってくる一冊である。<P>なぜ生きているのか、なぜ自分のちっぽけな命が大切なのか<BR>その悩みに直面したとき、読めば何かが得られる本だ。<P>私の場合、彼女の生き様に圧倒され<BR>まだ愛を知らぬ自分に気づかされ<P>この命の道しるべのひとつとしてとても大切な一冊になった。<BR>このちっぽけな命でも全うしてその愛の光に包まれたい<BR>そのために今何ができるのだろうか。
生きるとはと言うことを最後まで問い続けた書である。<P>最後の方は臨死体験とかが出てちょっと現在生きている身においては少しかけ離れている感じがして残念ではあるが、死ぬ瞬間にはじめて今まで生きてきた生をいかに人に奉仕したかという点は、少し考えさせられる点があった。しかしテスト前の一夜漬けではないが人は死を前にしなければ自分の生を見つめ直すことができないためその準備段階として心構えをしておかなければならないと考えさせられた書である。
「人生に偶然はない」「起こったことは、起こるべくして起こったのだ」と言う博士は、降りかかる様々な困難を「学ぶための試練」だと受け止め、エイズ感染児の施設建設の反対者に自宅を放火されてもひるまない。自分の選んだ道を勇気を持ってエネルギッシュに生き続け、死の臨床に打ち込む様子は「医者」というより、ほとんど「聖職者」のように思える。こういう人はやはり、常人と違う「選ばれた人」ではないかという気がした。ただ後半、ニューエイジ思想的な体外離脱やチャネリングの方向へ向いてから少し付いていけないものがあった。