ゲッツさんの旅ものの中でも逸脱した一冊。<BR>読後、一番印象に残ったのが、旅の参加者4人の中のナベちゃんという人の、人間的なダメさ。<P>旅をした4人の人間関係の微妙な部分がインドを旅したなかで、浮き彫りになっている気がする。インドがどうこう、というのは正直あまり印象に残らない。<BR>人間を書いている、という意味では純文学と言っても過言ではないような。
インド紀行なのでインドについての詳細が面白くて、その表現力が独特なのもゲッツ氏ならではなのだが、私がそれらよりも興味を持ったのが、男4人の長期の旅行って、結構キツイんだな・・ということだった。女同士なら、些細なトラブルなんて毎日あるだろうが、男同士でも皆、心の裏を読んでみたり、詮索してみたり、喧嘩したりあるんだなーと・・あ、でもちょっと待て。これってインドに行ってる4人のキャラが異常に濃いから起こることなのかもしれない!だって皆それぞれのエピソードが面白すぎなんだもん。こんな4人が一緒に旅すれば、そりゃー争いの一つや二つ、簡単に起こるわな・・・
相変わらず、やってるね!ゲッツ氏の作品には、とんでもないバカらしさと<BR>優しい視点と不思議な悲しみが同居している.