タイトルに惹かれて買ってみました。最初は普通の税金対策の話で、「タイトルと全然違うじゃん。」と思ったのですが、読み進むにつれて、本当に人にはいえない仕事の話が出てきます。私の知らない世界ばかりだったので、結構新鮮な驚きがありました。著者は最後の章で、「支出税」というこれまでとは全く違った税制の導入を提唱しています。確かにこの税制が導入されれば、アングラマネーの問題は解決されるのではないかと思います。ただ、筆者も指摘しているように実行可能性の面でまだまだ検討していく余地があるようです。ちなみに、写真をみると、結構、イケメンです。
話題を集めた「さおだけ屋」の裏バージョンといえる本。ただし、会計の話ではなく、税金を中心に話が展開されている。普通の節税対策からはじまって、グレーソーンのビジネス、さらにはアングラのビジネスへと話が深まっていく。著者の結論は、アングラビジネスが横行するのは今の税制に問題があるから・・・。所得税のかわりに「支出税」という税制の導入を奨励している。
「終章に代えて」で、筆者はこう言っています。<BR> 「本書では各種の地下ビジネスがどのように展開され、またどのように収益を上げているか、あえて禁断の扉を開いて読者に紹介した。ソープランドやモグリ営業のファッションヘルス、違法ドラッグ・ビジネス、暴力団のシノギなど、私たちの日常とはかけ離れたところで展開されるビジネスに触れて、冷や汗をかいた読者も多いのではないか」<BR> しかし、私としては、けっこう聞いたことのあるような話であり(「なにわ金融道」などで)、あまり意外性はありませんでした。もっと、産廃ビジネスや右翼の資金源やちょっと昔のパチンコ屋経営のような部分でのブラックな話が出てくるかと思っていたので、少し残念。<BR> 日本の税制の不公平さや、税率を上げると地下ビジネスが拡大するなどの話は面白く、自分が税金については何も知らないことを自覚させられました。福祉大国である北欧諸国では脱税と地下ビジネスの割合が非常に高くなっている、などという指摘も新鮮でした。<BR> 筆者の勧める「支出税」については、その実行可能性の困難さと克服策について、もう少し頁を割いて欲しかったところです。