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脳のなかの幽霊 ( V.S. ラマチャンドラン サンドラ ブレイクスリー V.S. Ramachandran Sandra Blakeslee 山下 篤子 )

「意識を哲学的、論理的、概念的な問題としてあつかうのではなく、むしろ実験的に検証できる問題としてあつかう」姿勢の勉強家である著者に共感し、とても楽しく読み終えました。次の作品がとても楽しみです。

幻肢や相貌失認のような特殊な症例をもとに人間の主観的体験と脳の情報処理の仕組みとの関連をわかりやすく説明する良書です。読みやすいのでとくに神経系についての予備知識も必要としません(私もそんなものありませんでしたし……)。個々の症状とそのメカニズム自体が大変興味深いものですが、なんといっても本書の魅力は著者のユーモアあふれる文章です!「会議の時に網膜の盲点を使って学部長の頭を消して遊んでた」のようなおもわず噴出さずにはいられないエピソードがいたるところに散りばめられており、本を読んでる、というよりも、まるで講演を聴いているかのような気分になってしまいます。面白おかしく読めてかつ知識も深まるのだから、こんなにお得な本もあまりないでしょう。

ラマチャンドラン氏は、精神の様な抽象的問題であっても、答えだけではなく、その過程=方程式が欲しかったのだなぁと感じました。<BR>感情はなぜ沸き起こるのか、フロイトの言っている心理は科学で証明できるのか等、私たちが曖昧に受け入れている事に科学的なメスを入れ、パズルを解くかのように実証しようとしているのです。凄いなぁ。怖いなぁ。<BR>どきどきしながら読みました。<BR>ラマチャンドラン氏は勉強家だなぁ。

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