ミルン棚氷で見つかった巨大な隕石。<BR>大統領選を前に、この発見をうまく使って勝利したい現大統領。<BR>しかしこの発見の裏ではホワイトハウス、NASA、国家偵察局の政治的陰謀が絡み合っていたのです。<P>この作品も緻密な下調べの元書かれたのだろうな、と想像できるほど背景がしっかりしています。<BR>私には海洋学や隕石の知識はありませんが、それでもわかりやすく謎解きがされていって、読むのをやめられませんでした。<BR>話の展開が速くて、ページをめくるたびに驚きがありました。
「天使と悪魔」、「ダビンチ・コード」を読んだ後に読んだせいか、若干ワンパターンさを感じた。どんでん返しや最後の主人公の救出劇の辺りは少々無理があるようにも思われる。にもかかわらず、いつものスピード感溢れる展開と知的な刺激の御蔭で一気に読めた(止まらなかった)。今回は政府系機関で働く主人公が大統領の命を受けてNASAの大発見を確かめに北極まで行くという話なので宗教的な話は一切ない。アメリカ政府の情報機関のことやNASAのことなどもよく分かり興味深かった。最初のページに本書に書かれている技術は実際のものだ、と言うのが本当だとすると(本当なのだろうけれど)、やはりアメリカって日本などが太刀打ちできない凄い国だとつくづく思った。
天使と悪魔、ダヴィンチコードの間にかかれた作品。ジェットコースタータイプの政治科学サスペンス恋愛小説といった感じで、一気に読んだ。アメリカ大統領選挙戦をベースに、NASAを得票材料としてくりひろげられる科学的陰謀。それに翻弄されながらも自己判断で切り抜ける二人の才媛女性、レイチェルとガブリエルはこのストーリーの主役といえる。隕石に宇宙生物の化石?暗殺部隊の指揮官はだれ?大統領に選ばれるのはどっち?最後まで息をつかせぬテンポで爽快な気分にさせてくれる、本書は知的好奇心が強い人に超オススメである。