若いジェンキンスさん達の写真も見どころだが、ジェンキンスさんの人柄も文面より、よく分かり面白く読めました。 他に書けない事実もあるのだろうなと思いますが、北朝鮮でのいかに苦難な生活ぶり、家族の以前と現在の変化、よく書けていたと思うので、いっきに読んでしまいました。
何となく手にとった本だったが、素直におもしろかった。北朝鮮の生活や小泉首相訪朝前後の葛藤など、読みながら「次は次は」と、どんどん読み進めた。不思議と緊張感を感じる本である。本書を購入することで、ジェンキンスさんファミリーの生活が少しでも豊かになりますように(祈)
些細な思い違いから北朝鮮に逃亡したジェンキンス氏の、約40年間にわたる北朝鮮での生活を描いた自伝。逃亡した経緯や北朝鮮での生活、妻・曽我ひとみさんと出会った経緯、そして脱走兵として訴追された軍法会議での裏幕など、これまで報道されてこなかった一面をうかがい知ることができる。赤裸々な記述が、読み手をひきつけて離さない。<P>本著は、北朝鮮で実際に生活してきた著者だからこそ描ける、迫真性かつ具体性に富む記述で溢れる。報道されている以上に悪辣な北朝鮮の現状に、暗澹たる気持ちになる。日本による「人道的支援」とはいったい何なのか、と。<P>また著者は、生まれてから現在に至るまでを時系列に沿って描いているが、その端々に著者の現在の気持ち(悔恨、憤懣)を散りばめている。数奇な運命を辿った著者のやるせない気持ちが、本著を通じて痛いほど伝わってくる。<P>しかしながら、拉致問題が「現在進行形」の外交課題である以上、拉致問題や拉致被害者については具体的な記述を避けている感も受ける。我々がもっとも知りたい、横田めぐみさんら拉致被害者の生存情報についてはほとんど触れられていない。<P>しかしながら、だからといってこの本の価値を貶めるものではない。北朝鮮での生活を記した本は極めて珍しい。北朝鮮および拉致問題に関心があれば、ぜひ読んでおきたい一冊だ。