宮部みゆきさんの作品は何冊か(いくつかは夢中になって)読みましたが、この本は他の作品と違うようです。どういう人々が対象の本なのでしょうか。前半は宮部ワールドですが、後半の違う世界に行ってからの話の展開には、子供のやってるファミコンを隣りで眺めているような違和感を覚えてしまいました。ゲーム世代の人々は夢中になって入り込めるのでしょうが、そうでない大人の方には楽しめないかもしれません。
私はファンタジー小説の素晴らしさを知ったのは最近で、海外の和訳本だったのでどうしても日本人の書いたモノに正直言って抵抗がありました。今ではこの本を手にしたのが奇跡に思えます(笑)<P>とても素晴らしい壮大で引き込まれるストーリでした!現代人の男の子を主人公にしたところも効果的で、おもしろいほど感情移入できました。平凡で確かな日常生活を生きていた少年、亘に突然訪れた残酷な事実。巧みな文章に亘のやり切れなさや哀しさが感じられて、まだ小学生でしかない小さな亘がした命を懸けた決意が、痛いくらい切々と伝わってきて純粋に感動しました。実は下巻も読み中なんですが、やっぱり素晴らしいです(笑)大人でも現代の描写がしっかりとしているので無理なく入り込めると思います。と!かく私の言葉では素晴らしい本としか言い様がないので、とにかく読んでみてください!!
この本を買うきっかけは、就職活動中の身なので電車で移動中の暇つぶしと、元々宮部みゆきさんの本が好きだったという軽いノリでした。<BR>今まで現代ミステリーものが多かったので少しショックだったのですが、読んでいるうちに本を読む手が止まらなくなってきて、気付いたら暇つぶしどころか、就職活動そっちのけで読み続けてしまいました(笑)<P>最初は主人公・亘の態度や考え方に「かわいくないガキ!」と思っていましたが、細かな描写から読み取れる感情に、だんだんと引き込まれ、亘と同化していく自分がいて、亘の成長と共に自分の心もまた成長していくように感じられました。<BR>また、本の中に登場する「幻界」と今の世界情勢がダブって見え、改めて現実を見直すきっかけにもなりました。<P>読み終わった今もなお、興奮と感動で夢見心地のため、うまく言葉に表せませんが、この本を読んだ人はきっと目前に宮部ワールドが広がり、引き込まれていくと思います。ドラクエやFFなどのRPGが好きな人、現実から少し離れたいなんて考えている人には特におすすめの本です。