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ナラタージュ ( 島本 理生 )

 島本理生もここまで成長したか・・・、と思わせてくれる作品であった。もともと、それを感じさせてくれる作家であったがこんなにも早く成長するとは思っていなかった。<BR> 描写が丁寧で瑞々しいという彼女の持ち味を殺すことなく、文量も申し分ない。今の年齢でしか書けない微妙な心の動きや自分という存在に対しての不安みたいなものがとても丁寧に書かれている。<BR> まだまだ若い作家なので、文章の老獪さをもってして深くへ切り込むようなことはないが、それを感じさせない重みのようなものを文字にこめられていると感じられる。<BR> まだ成長するな、と思わせてくれる、発展途上の傑作であると思う。

芥川娘騒動に取りこぼされた人、というイメージしかなかった<BR>島本さん(ごめんなさい)の小説ですが、なんとなく手にとって<BR>大正解!<BR>私はヒロインみたいに先生に恋したことはないけど、恋を<BR>しているときの風景の見え方とかものの感じ方っていうのは<BR>一緒なんだな、ってとても共感できました。<BR>先生はずるいけど、ヒロインの心のやわらかいところを<BR>じょうずにすくいとって気持ちをそらさない魅力のある人。<BR>こういう人好きになると、しんどいんだけど、ハマるんだよなーと<BR>思いつつ読みました。

主人公をはじめ、登場する人物はことごとく弱さを抱えています。それは自分が向き合わなければならないことからの逃避であったり、欺瞞であったり。ときおり、そんな登場人物たちに嫌悪感すら覚えることもありました。「この登場人物、嫌いだな」<P>けれど登場人物たちが持つ欠点は、実は読者の誰もが持ちえていて、なおかつ誰もが知らず知らず目をそむけているものなのだと思います。おそらくは、わざわざ本を買ってまでして読みたいと思えないような、そんな嫌な自分がそこにはいるのです。<BR>おまけに物語の冒頭は、ゆっくりと、あまり起伏も感じさせずに進み始めます。率直に言うならば、『この本を手にしたことは失敗だったかも』、なんてことを考えてしまいました。<P>それなのにこれほどまでに惹きつけられてしまうなんて。<P>惹きつけられてしまう理由は、よくある安易な恋愛小説にありがちな、『わたしをわかって』的なオーラを極力排除して、丁寧に心情を積み重ねた描写にあるのだと思います。<BR>シークェンスの終わりごとに、必ずといっていいほど出てくる情景の描写。その描写は全てその場面での主人公の気持ちを代弁してくれていて、そのために、主人公は共感を強要する言葉を必要以上に使う必要がなく、読んでいて、静かに、そしてしんみりと染み込んで来るのだと思います。(その情景を描くために、目の前にあるはずの光景から何を拾い上げ描写するか。その無駄の無さと、的確さには、驚くばかりです)<P>そして、そんな丁寧さが、本来なら見たくもない自分自身の欠点をも、少しずつ少しずつほぐしてわからせてくれるような、そんな気持ちにさせてくれたのだと思います。<P>「面白くなさそうだな」なんて思って読み始めたのに、じわじわじっくりときちゃって、半分も読みすすめたころには、完璧にヤラれちゃったって感じでした。<BR>なんというか。スゲー良かったです。

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