アスペルガー症候群に関して何冊か読んでいるうちにみつけた本です。「娘がそうかもしれない…」自閉症に関して誤解し、理解を深めつつあった私(母)ですが、この本をよんで衝撃をうけました。私自身、とても共感したのです。成人した自閉症スペクトラムの方々が本で自身の障害に気づく事が多いと聞きましたが、そのとおりでした。まわりにいた、ちょっと変わった子(人)、とっつきにくい子(人)、まわりとは何か自分は違う?相手を自分を「理解」するためにぜひ読んでみていただきたいです。この自閉症スペクトラムは障害ですが(心の病気ではありません)愛情と気づきによって「個性」に変わります!テンプルさんの輝きをこの本で感じてください。
最近は自閉症の方々の本が多く出版されており、ニキ・リンコさんが言う所の「定型発達者」と「自閉者」との理解の溝が以前よりは埋まりつつあると思われる(それでもその間にはまだまだ深い溝が横たわっているとは思うのだが・・・)。この本は、自閉者が書いた最初の一冊である。彼らについてもっと知りたい、と思う人は、まずこの本を読むべきだろう。自分の障害の苦しみについて、障害であるが故に持てる長所と才能について、実に分かりやすく、ビビッドに、鮮明な記憶をもって描かれている(この記憶力の良さも彼ら特有の長所なのだろう)。著者は大学の助教授として、会社の社長として活躍しているのだが、それも、自閉症故に持てる才能を生かしてものもなのである。自閉者の方々・ご家族・周囲の方々が読む最初の一冊として、これ以上にふさわしい本はないと思われる。<BR>それから、いかに自分が外側からの理解しかしていなかったかと思ったことがある。それは、自閉者が「触覚刺激を求めている」ということ。著者は幼い頃から、触覚刺激とそれを自分でコントロールすることを求めて、独自の機械を夢想し、そして自ら作り出した。触覚刺激を求める気持ちと避ける気持ちの相克の中で。「触覚過敏性」が自閉者にあるということは広く知られているが、だからといってそれを求めていないとは、何という浅はかな理解であったか、と恥じ入った。これは、全ての他者への理解に当てはまる教訓だろうと思われた。
著者のテンプルさんは自閉症です。それも,かなり重い自閉症だと思います。しかし,彼女は大学の教員をしています。もし,自閉症の人がが身近におられる人なら,きっと心強く思われるでしょう。そして,自閉症に関わっている人なら,自閉症特有の物の見方,感じ方,そして人生を送る上での困難さを学ぶことができるでしょう。しかも,単にエンターテイメントとして読む人にも「こんな人生」もあるのだと興味深く読めることと思います。<P>タイトルはいかめしいのですが肩のこるような本ではありません。多くの人がこの本を読み,自閉症への理解を深めて欲しいと思います。