本書を通して驚いたことは、日本人の一部だけの人間がオーパーツ(場違いな出土品)と喜び勇んでいるのかと思っていたのだが、世界中にはオーパーツを追い求めて探検している人の数がとてつもなく多いということだ。<BR> これらの中には個人で所有しているものも多く、今回本書を著すことの難しさをひしひしと感じる。<BR> それにしても、そのコレクションの多いこと、多いこと。身長が推定で7.6メートルの人骨、紫外線を当てると模様が浮き出す石、三葉虫を踏み潰した靴の足跡の化石、世界地図が立体的に映し出している石、などなど。<BR> これだけ多くのものがあるのならば、今の歴史というものを根底から考え直さなくてはならないのではなかろうか?頭でっかちの考古学者先生に物申す!
世界中で出土しているオーパーツ(その時代にそぐわない遺物)を一同に集めて展示する「未解明の謎展」という、ありそうでなかった試みを行った著者が、展覧会を開くまでの経過を綴りつつ、既存の定説にしがみつき身動きの取れなくなっている学者の現状を批判する。<BR>単独で発見されたオーパーツは、従来の学説にそぐわないから偽物と決めつけられ闇に葬り去られるのが常であるが、数百点もの遺物を一度に見せられると、現在の定説の危うさを感じずにはいられないだろう。また、それらに共通の特徴(未解読の文字同士の形が極めて似ている、など)が見られれば、「偽物」と決めつけることの方に無理があることがわかるだろう。それがこの展覧会の目的である。<BR>著者はオーパーツから普通に考えられる理屈を述べているだけで、著者独自の理論などは語られていない。そのため、若干ワクワク感に欠けるきらいもあるが、ここに登場するオーパーツの魅力(初めて目にするものも多かった)がそれを十分補ってくれる。<BR>「探せば世界中にオーパーツはいくらでもある」ということを教えてくれる本書は、従来の学説を再構築する流れのきっかけに充分成り得る画期的な本だと思う。
未解明の謎と言う催しを開いた人達が書いた本で、その催しを開催するまでの苦労話がメインストーリーであるが、オーパーツを求める旅の中で、いままでのオーパーツに関する本には載っていなかったようなオーパーツも多数取り上げられている。また、オーパーツに関する作者の勝手な想像などがほとんど書かれてなく、読者が先入観にとらわれることなく想像をすることができる本であると思う。写真も結構掲載されているし、今まで見たこのような関連の本の中では、個人的には読みやすく最も面白い本でした。