真言密教において「即身成仏」するには印を結び(身密)、真言を唱え(口密)、観想を行う(心密)という実践が必要である。これを空海は「三密」と呼んでいる。本書は密教の曼荼羅などに表れる仏や神、経典などに対応する印契と真言が解説されているが、その仏や神などに対するサンスクリット名やインド神話からの由来なども紹介されているので、結果として手軽な仏神事典ともなっており、お寺参りに便利である。サンスクリットでマントラと呼ばれる真言、ムドラーと呼ばれる印契のインド的由来やその意味付けなどが解説されている。第二章の「密教の不思議な話」に紹介されている一休禅師の話や、第五章の「修験・神道・陰陽道の秘呪」にある密教以外の印・呪文に関する記載もとても興味深い。
タイトルのとおり、印と真言が豊富に載っています。が中には専門書を読まないかぎりお目にかかれないような神仏の印と真言や、道教の印が載っているので、そういう点でもおすすめできる本です。<P>あと十八道法の各印の所作についてかかれているのにはすこしおどろきました。
密教修行者の用いる印と真言をわかりやすく解説した本.<BR>『密教の本』などのこのシリーズの本同様に修行者でなくてもわかりやすい本です.<BR>印や真言にまつわるエピソード,仏だけでなく稲荷明神や天狗等々に関する印や真言なども記載されています.秘儀伝授などの読み物も,なかなか面白いですよ.