この絵本を読むきっかけは明石家さんまさんが佐野洋子さんとの対談で大竹しのぶさんがこの本の大ファンだということを話していたのを見たことです。いざ読むと奥の深い物語である。私は猫好きで,特にぶくぶくに太った猫が大好きだ。でも、ペットショップのアメリカンショートヘアにも歓声を上げてしまう。「どこでもいっしょ」のトロも大好きだ。しかし、このトラねこはアメショーに負けないくらいの立派な縞模様を持つ吟遊詩人のような猫だ。一匹の白猫との出会いがこのトラ猫にとっての全てだったと思う。この本はむしろ子供に読ませるより大人が読むべき本じゃないのかなあ。その答えは最後の白猫の死に出ています。
肩ひじ張って生きるねこ。<BR>どんな自慢も、どんな虚勢も、<BR>自分をなぐさめてはくれない。<BR>100万回生きて、やっと巡り会えた、<BR>生きることの意味。<BR>生きることのやさしさ。<BR>そして、せつなさ。<BR>ただただ、白いねこを愛し、ともに生きたい、と感じられたことで、<BR>生を全うできた、幸せなねこ。<BR>ギクシャクした毎日に疲れた夜、<BR>私はいつも、<BR>この絵本を開きます。<BR>そして、泣いて、泣いて、<BR>生きることのやさしさを取り戻しています。
この本に出会って20年もたってしまいました。学生だった当時、彼から誕生日のプレゼントに!ともらったのがこの絵本との出会いです。44歳になった今、彼は、もう傍にいませんがこの絵本は、ずうと傍で何度もわたしを勇気ずけてくれました。そんな温かい友達のような、いや師のような絵本です・・・。