大前研一氏の代表的著作として知られる本書「企業参謀」は経営戦略、戦略思考の入門テキストとしてあまりに有名です。<BR> そこで、私も遅ればせながら最近一読したのですが、正直なところ、本書が何ゆえに未だ世間から絶賛されているか不思議な思いにとらわれました。<P> というのは、本書は内容がどこをとっても中途半端で、物足りなかったからです。昨今では本書よりも優れた解説書がいくらでもあります。本書は経営戦略の策定法、問題解決の思考法についても掘り下げが浅く、経営企画的な仕事に携わっている人なら誰でもやっているor知っているようなことに多くのページを割いています。退屈でした。また、取り上げている時事問題のケースも古く、陳腐化しています。<BR> 大前氏の代表的著作として読!んでおいても損はしませんが、同じ時間を掛けるなら、他の専門書をあたることをお勧めします。
私が初めて読んだのは多分、20年以上前だと思います。<BR>私への「おすすめ」として当HPで紹介されましたので書庫を探したのですが整理が悪く見当たりません。<BR>文庫本で発刊されているとの気楽さから再度、購入し読みました。<BR>感激しました。<BR>未だ色あせず、素晴らしい!<BR>裏返せば私が進歩していないのか、私とともに日本も進歩していないのか。<P>はたまた著者が千里眼なのか。<BR>本当に今、発刊されたかのような思いでした。<BR>「続」も含めて日本の全ての企業戦士の皆さんに是非、ご一読をお薦めします。
久々に面白い本だった。<BR>企業について書いてあるが、広く一般の問題解決の考え方が述べられている。<P>普段われわれは、短絡的な発想や、対症療法をとることが少なくない。日本の企業では、最初から答の決まった問いを考える(ふりをする)場合も少なくない。<BR>本質を抉るような議論は、なかなかできない。<P>本書で述べられている方法は、一旦抽象度をあげて検討した後、再び具体的な方法へ戻ってくる。<BR>抽象度を上げる過程で、組織内の認識が揃ってくる。そのプロセスこそが、良い解決策の鍵でもあると思う。<BR>「良い問いを発することができれば、なかば成功したようなもの」とはよく耳にするが、本書の主張もそうした考え方の流れに属すると思う。