面白かったけど!! 凄いどきどきしたけど!! とりあえずなんだか恥ずかしかったです。自分があまり純粋なセリフを口にしなくなって久しいからかもしれませんが。<BR>内容は1からまた1歩踏み込んだ感じで。№6を見下ろす部屋で交わされる話。進められる実験は何か。ネズミは次々に違う顔を見せ正体はどこまでも分からない。そして彼は紫苑に決断を迫る。「おれと№6、どちらを選ぶ?」(本当にあなたがたの会話は恥ずかしいよ…)<BR>紫苑に恋する沙布は彼を追うことを選びますが、一方で危機にもさらされる。彼女はどうなるのか。<BR>えらく引きの強いところで終わります。<BR>紫苑を追うという沙布に対しての紫苑の母親の火藍の思いが秀逸。<P>普通書かないけど、お話のなかでは美化されてしまうけれど、本当のこと。嘘でごまかしてはいけないこと。あさのさんは常に潔癖にそれを求めているように思います。その潔癖さと闇雲さは「バッテリー」にもあったけれど、登場人物たちが大人びた分、№6の方が全体的に追い詰めている感じがします。<BR>本としてとても良かったと思います。(恥ずかしかったけどね…)
あさのあつこさんはバッテリーで知りました。<BR>あの時も思いました。痛いところを突くなって。この作品は、そういう弱ったわき腹を指でつつくような感じがあります。<BR>どんどん信頼していくほどに自分が弱くなってくのを実感して、怖くなって・・・そういうのって人を信頼しないようずっとバリアを張っていたネズミには本当に辛いと思う。紫苑の大らかさ、何も知らない無垢な感じが、無知ならではの子供のような残酷さも持ち合わせていて、私は読んでて紫苑が憎かったです。<BR>でもネズミは惹かれるんだよね。そういうところに。そうしてネズミは変わっていく。いかざるをえなくなるんだろうな。
手に取ったのは近所の図書館だった。新しい本だな、と#1と共に手に取ったのがはじまり。中にはさまれている広告をみるとどうやら中学生辺り向けの本らしい。しかし、これはそれより年齢上でもハマるものだと思われる。<P>あさのあつこさんの作品は初めて読んだ。中学生年代向けあってのことか、あまり1ページに詰まっている文字も多くない。さらに、挿絵として物語を連想させる写真のカットがところどころにちりばめられている。そしてあさのさんの文がするすると飲み込める。読みやすいことはまちがいない。<P>あっと言う間に#2のラストにさしかかったところ、「もう終わり!」・・・早かった。がっかりした、というのももっと続きが読みたくなるということでである。けして短いからつまらないのではない。<BR><BR>続きを読者に想像させる。そしてそれから各々の結末が見えてくる。<BR>物語の内容も心に残る作品だ。