リストカットという、きっと多くの人にとっては「向こう岸」のテーマを、著者自身のエピソードを盛り込むことで、血や痛みに対する抵抗感をなだめながら、実はすぐそばにある問題として読ませてくれる。<P>取材対象者の心に深く入っていく取材は、時に戻ってこられなくなる危険性をはらんでいる。特にリストカットの当事者という立場でもあった著者にとっては、さらにその危険は大きかったはず。しかし、息子の存在が偶然にも、戻ってくるためのための力強いロープとなった。取材者のスタンスについても、考えさせられる一冊です。
小国さん、書いてくれてありがとう。<P>でもね、リスカもODも大人にもいるんです。<BR>理由なんてわからない。<BR>もと「少女」の私としては、この問題が<BR>もっと広い年代に広がってるって知って欲しい。
中途半端に、利いた風なことを言いたいとは思い<BR>ませんし、また、言えるような気もしません。<BR> それでも、何とか言語化をしようとすると、<BR> 「心の突起に色々なものが引っかかる感覚」とでも<BR>いうのでしょうか。・・やっぱり中途半端ですね。<BR>でも、そういう感覚を抱え続けよう、というのが、<BR>一番正直な感想でした。