よくできている本だと思う。<P>学生を相手にしているだけあって平易な語り口であるし、<BR>内容も深いところまで達している。<P>あとは、実践あるのみだと思う。<P>ネタバレになるので詳しくは書けないが、<BR>いかに人は「先入観」を当てにしているのかといまさらながら思う。<BR>そして人は「考えるべきこと」ではなく、「信じたいこと」を考える。<P>「学者の言うことだから正しいだろう」<BR>「数字で出ていれば正しいだろう」<BR>「みんなしているみたいだから一般的なのだろう」<BR>「(そうであって欲しいから)そうなのだろう」<BR>それはうまく生きる術でもあり、思考の怠慢でもある。<BR>そこで怠けず、「ほんとうにそうなのだろうか?」「なんでだろう?」と<BR>いえること。そしてあきらめず、考え抜くこと。<P>貴重なことに気づかせてくれる本だ。<P>発想力、洞察力を求めるすべての人にお勧めだ。
最近はネットなどで様々な情報が流れているので、自分に都合のいい情報を安易に受け入れてしまう人が多いのではないか。この本はひとつの視点にとらわれず、自分の頭で考える手助けをしてくれる。<P>主にレポートや卒業論文を書く大学生を対象に書かれているようだが、具体例を多く挙げて分かりやすく書かれているので読者を選ばない。自分なりの考え方やものの見方を身につけたいと思う人にはぜひ手にとってもらいたい。<P>例えば受験小論文対策にも効果を発揮するだろう。小論文で独創性が無いとか発想が常識的過ぎる、また問題を単純化しているなどの指摘を受けたことがあるなら、この本を読むことで問題に対する新たな視点が見えてくるだろう。
いくら知識武装・理論武装しても、それだけでは役に立ちません。言うまでもなく、肝心なのはそれらを使いこなせるか否かということです。そこで鍵となるのは「自分で考える力(考え抜く力)」です。この本は、著者が言うところの「勉強不足症候群(=正解信仰)」を克服して、常識に囚われない柔軟な思考力を養うための「手引書」です。<P>したがって、学生だけでなく、次のような社会人にもお勧めです。思い当たるフシのある人は、本書から多くのことを得ることができるでしょう。<P>“新聞や雑誌は言うに及ばず、新刊のビジネス書や専門書・論文にいたるまでせっせと読んでいる。情報の洪水と日々格闘している。かくして知識は増えて人並み以上の「モノ知り」になれたような気がする。しかし、その反面、なんともいえぬ「空虚さ」・「不安」を感じている。会議などでも自分の意見に自信が持てない。他人の意見がもっともだと思えてしまう・・・。”<P>インプット一辺倒の「受け身」のスタイルでいると、上記のような状態になってしまうのではないかと思います。やはりインプットだけでは限界があります。ここらで一度、原点に立ち返って「自分の頭で考えてみる」ことも悪くないと思います。本書はそのためのよき水先案内人になってくれることでしょう。