関連図書との重複情報も多いですが、現在そして将来の世帯主として、家計をやりくりする者として、細々としたところで損をしたくない人として必要な常識がぎっしりと詰まっています。今後、人生設計する際に誰もが当然知っておくべきこと(しかしながら意外に知られてないこと)を懇切丁寧に説明してくれています。<P>この本によって人生が劇的に変わることはなさそうですが、気付かずに損している部分を見直す際には有益な情報だと思います。著者や海外投資を楽しむ会のほかの書籍を購入している人には、くどい情報というか重複、焼き直し的な側面が強いので購入をお勧めできませんが、初めてこの種の書籍に触れる人にとっては、コストパフォーマンスに優れたいい書籍だと思います。勿論、単なる焼き直しにとどまらず、より推敲された内容であるので読み物としても面白いですが。
緻密な論理展開を繰り広げるが、結論は極めてシンプルである。<BR>ここにその結論を書くのはご法度なので、書かないが、ひとつづつ<BR>著者の論理を検証し、真に納得してみたいと思います。<P> 問題は、この論理を検証するために、かなりの勉強が必要だという<BR>ことです。
初出が99年。通常このテの「経済指南」本では内容が陳腐化するものですが、陳腐化無縁、未だふつーのサラリーマンの心に突き刺さるのは本書の内容が税制の小改正とかじゃなく不動産・税金・年金・生保というリーマンの生活の柱でかつこの10年小手先の制度改正(改悪)を経ながら基本的には何も変わっていない根本アイテムの本質を誰にでもわかる言葉で解説しつくしているから。<P>「ふつうこの年だったらいい加減賃貸脱出して持ち家だよね」「万一ってことがあるから家族が困らんよう保険は入っとくか」「年金ヤバそうだけど国民の義務だしね」などなどサラリーマンが「惰性」「常識」で軽々に判断している重要事項に「それでいいの?」と繰り返し問われます。<P>本書で指摘されている事項、不動産取引にしても年金や保険にしても純粋な意味で「新発見」はないでしょう。ふだん新聞雑誌を読んで何となくわかった気になっていることばかりです。ただわたしたちも日々の仕事の忙しさにかまけて自分のライフプラン「全体」としてどうなのか、というところまで考えて個々のアイテムを処理しているかというとそれができている方は少数派でしょう。<P>本書がイイのはそうした個々のアイテム固有のミクロな問題を、独立した個人(定年後は強制的に「独立」させられます)になるためどうプランしていったらいいのか、という道標を示し読者に考えさせていること。万人共通の回答はない問題ですが自分の人生設計の「アングル」に変化を与えてくれる本です。わたし、本書を読んで今の保険契約(因みに外資)解約、DIYに乗り換え、ほとんど決めかけていたマンション購入も再考中。本書のビジョンが絶対とは言わないが一読の価値は絶対あり。オススメ。