この本はおおむね二部構成である。<P>前半は高校物理の復習。ここだけを読んで受験参考書にもなる。<P>後半は、高校物理を出てきた定理を、ひとつずつマクスウェル方程式の形に置き換えていく。いわゆる積分形での表記なので、div、rotといった難物は出てこない。本当に高校数学と最低限のプラスアルファだけで、数式をうだうだ並べることもなく、単純なケース(各ベクトルが直交・並行の場合)に的を絞って丁寧に説明されているので、安心してほしい。<P>この本は、電磁気学の「はじめの一歩」としてマクスウェル方程式の概観を掴むことを目的としている。突っ込んだ話(1/εμ=c^2 なる関係式とか、CGS 単位系の歴史的な話とか)は出てこないが、これらはこの本の次に読む教科書で充分だ。<P>ただ、和の式(Σ)を積分の式(∫)に置き換えるときに「微少面積dS」「微少体積dv」「微少距離dr」といったものがいきなり出てくるので、微積分については計算だけでなく具体的なイメージをしっかり体得していることが必要だ。つまり、平均的高校生にはちょっと敷居が高いかもしれない。でも、理系の大学1年生なら理解していて当然の内容だし、具体的には「微分積分学の基本定理」「バウムクーヘン型積分」「球の体積 (4/3)πr^3 を r で微分すると表面積 4πr^2 が出てくる理由」あたりを説明できればそれで充分だ。<P>少し背伸びしたい高校生、授業で躓いた大学生、どちらにもお薦めできる本。
ホントにやさしくMaxwellの方程式について学べる本です。理数系に進む人には物足りないかもしれませんが、高校生のうちにこのくらいのことを読んでおくと大学に入ってから違和感がないかもしれませんね。私はこの本が大学に入る前にあればよかったなぁとしみじみ思います。
電気の発見の物語からはじまり、中学校で習った電気の公式、そこから、マクスウェル方程式までを導きます。非常に、スムーズに導かれてます。初歩的な電気・磁気の知識の応用で、マクスウェル方程式が説明されており、マクスウェル方程式って、そんな意味だったのか!と納得できました。<P>微積分も、出てきますが、図などを効果的に用いて、上手く説明してあり、イメージがわきやすかったです。<BR>「高校生向け」となってますが、「マクスウェル方程式」がピンと来なかった時に、便利な本であると思いました。