タイトルから明らかな通り、わかりやすく説明するための技術について論じたものです。しかし、特に目新しい秘密のテクニックが書かれているわけではありません。著者も認めている通り当たり前のことばかりです。<P> 思うに、分かっていてもなかなかできないのが「分かりやすい説明」ではないかと思います。話し手と聞き手のギャップを埋めるのはそれほど難しいということでしょう。<P> そのギャップを埋めるためには、著者が勧めている通り、本書に書かれている「当たり前」のことを常に意識し続ける地道な努力が必要だと思いました。<P> したがって本書はわかりやすい説明をするための「虎の巻」的な本ではなく、当たり前のことを再確認するための本だと言えます。<P>
分かりにくい説明と、それを改善した分かりやすい説明を比べてみると、問題点がはっきりと分かります。<BR>説明が一人よがりになりがちな人や、相手にうまく伝えることが苦手な人向けの本だと思います。
聞き手の「脳」で行われる「理解する」という作業を、話し手が代行することで「分かりやすい説明」にできるとし、そのための15個のテクニックを易しく説明した本。この種の類書は多く、大方ポイントは似たり寄ったりしているものだが、この本では「タイムラグの短縮」「間の活用」「繰り返しの劣化」「聞き手の想定」といった新しいポイントが提示されている。<P>分かりやすい説明のための本が、実は分かりにくいという自己矛盾的な本もあるが、この本に限ってはそんなことは全くない。実に簡潔明瞭な説明で、15のテクニックを解き明かしていく。お奨め。