本書はアメリカ探偵作家クラブ(MWA)のメンバー数百人の会員全員に6項目のアンケートを送付して代表的な回答を選んだ6つの章を骨格としている。その章は、「なぜ書くのか」「アイデアの見つけ方」「いつ、どんなふうにして書くか」「ステレオタイプを避けよ」「つまずきの処理法」「ミステリーの秘訣」であり、多くの作家の回答がぎっしりつまっている。<P> 特に「ステレオタイプを避けよ」の章は面白かった。例えばリチャード・マーチン・スターンは次のように述べている。「鉄拳をふるい、種馬のようで、酒が強く、狙撃がうまく、何でも知っていて、どんなことでもやる主人公。もうたくさんだと言いたい。」<P> その他、23項目を選んで個々のミステリー作家に執筆を依頼している。例えば、ジョン・D・マクドナルドは「人物に厚みを持たせる方法」を、フィリス・A・ホイットニーは「ゴシック小説とは何か?」を書いている。<P> 技術的な面もいろいろ面白いが、ミステリー作家の仕事好きも良く分かる。精力的に書き、さらに徹底的に何回も書きなおしている人ばかりだ。それもこれも、ミステリー作家が口で説明できないほど自分の仕事にほれ込んでいるからだろう。<BR>
どんなことをすれば小説のアイデアが練れるか、リアリティの出し方などためになる事が多いと思いと思います。<BR>それに私はなによりいいと思ったのが、有名作家たちの生の声を聞く事ができることがうれしかったです。この作品の中にでてくる全ての作家は知らないが、ジョン・D・マクドナルドの文章が出てきたときは最高にうれしかったです。<BR>いずれにせよ、かなり売れているであろう作家たちが自分の経験をもとに書いているのだから、ある程度は参考になるものがあるのではないでしょうか?
コストパフォーマンスの良さは賛成。<BR>ミステリーを書こうとしている方のための、技術的な内容を網羅している。<BR>ただし、翻訳なので、文章の意味が読み取りづらいところがあります。欲を言えば、翻訳ではなく書き直すつもりで出してほしかった。<BR>他、アメリカと日本の違いを考慮に入れる必要が多少有りますが、読者の責任で考えれる範囲だと思います。