皇名月のイラストに、皇を含む田中芳樹、井上祐美子、狩野あざみ、赤坂好美の5人が、文章を付けた「日本選出の中国百帝図」。 <P> 田中氏の「反・三国志」的なスタンスが鼻につくー。「宣伝文書を持っていないが故にメジャーになれない作品・人物を愛す」みたいな態度ー。日本人にはおもしろくないから、日本では流通しなかったんだろ、ってツッコミたくなる。例えば(この本では出てないけど)岳飛が日本では今ひとつつっても、異民族に蹂躙された経験の無い日本人が、女真族に対抗すべく孤軍奮闘する岳飛を応援する中国人の気持ちを、真に理解できる訳ないやん、と思う訳で。三国志にしても、あれは判官贔屓的な要素を持つ劉備を徹底的に美化して描いた吉川英治の手腕があって初めて知識人階層以下の庶民にまで三国志が広まった訳で。悔しかったら「一人の英雄と一人の狂言回しとその他大勢」という訳し方しか出来なかった『岳飛伝』を、もう一回訳し直せ。まったく。 <P> というアレはともかく。 <P> (統一国家としての)晋以降の中国史を楽しむ方法ってないもんすかねぇ、と思わせる一冊。やっぱ、歴史ってのは人物なんだよねぇ。魅力的な人間がいて、それを追いかけたいという気持ちから、歴史に興味を持つんだよねぇ。
私は皇なつきの絵が好きで買いました。皇ファン、買うべし、です。これだけたっぷりの絵がのっているのも漫画を別にすれば珍しいかもしれません。もちろん昔の人の顔なんて分かるわけないですが、しっかり顔の描き分けがしてあり、楽しめますよ。<P>私は中国の王様など興味ある時代以外は全く知らず、名前を聞いてもそんな人いるんだぁ・・程度のものです。なので、文章は知識ある人なら物足りないと思います。なにしろ1人につき3ページでまとめてありますので。文章を期待して勉強のために!とはおすすめできません・・。<P>どちらかというと「イラスト付きの中国帝王」を書くというテーマなんでしょう。皇なつきさんのイラストは表紙でも分かりますが本当に素晴らしいです。知らない方も是非買ってみてください。
中国の歴代の皇帝・王のうち二十数人の画と説明文。説明は個人だけでなくその王朝の歴史にもふれているので、人名辞典よりわかりやすい。<BR> 絵については、うまいなあ、と思うがそれ以上はわからない。<BR> 晋の恵王の賈后など、醜女ということなのに、絵を見ると美女に見える。 醜男はかけても、醜女に書くのはむずかしいのだろうか。