膨大な取材、事実検証がおこなわれた本書には嫌味がなく、イサムノグチの生き方を自分なりに味わうことができます。読みやすい本です。また、一度は聞いたことのある名前が彼の交友関係で次々につながるのには驚かされます。
イサム・ノグチの作品は、シンプルかつダイナミックに見えて、どこか淋しげでいつも誰かにふれられていたがっているように、私には思える。<BR> それはなぜなのだろう。この本はイサム・ノグチの、生涯をついてまわった執拗な孤独を、丁寧な取材で描き出している。驚くほどわがままであり、まるでだだっ子としか思えない場面も、きちんと余すことなく描き出し、イサムの孤独の深さをえぐり出すことに成功している。それはあまりに痛々しいほどだ。その作業故に、人間・イサムが見事に立ち上がっていると思う。<BR> 亡くなった今も人々を引きつける魅力的な作品世界の背景には、彼のそんな根深い孤独が横たわっているのだ、と納得させられる。それほど、父、野口米次郎がイサムに遺した傷は深かったのだろう。イサムの声にならない叫びが聞こえてきそうだ。
~ 「知ってるつもり」で紹介された程度にしか知りませんでしたが最近週刊誌などで取り上げられていた記事を興味深く読んだことがきっかけとなりこの本を購入して読みました。<BR> 私は読むスピードがあまり速くないのですが、ちょっとでも時間があればページをめくり、はやく続きが読みたい、続きが読みたい。という気持ちで数日間楽しむことができました(450~~ページあります)。<BR> 創作活動の話と恋愛についての話が程よく順番に出てくるので大変に読みやすく飽きることなく読めました。~