西太后とはどんな人だったのだろうか。そして中国皇帝の権力とは以下ほどのものであったか。西太后については、とかく化け物のような喧伝がなされておりすこぶるイメージは悪い。しかしどうも中国王朝文化の習慣が理解出来ない当時の列強諸国がプロパガンダとして用いたイメージのようである。中華思想とは宇宙の真ん中という意味でその最大権力者が中国皇帝である。西太后は、権力を私物化するために政敵の命を奪っていった非道の人なのか、それとも清朝末期、蹂躙される中国を支えるつわものであったのか。西太后の「人」に迫ってゆく第2巻であった。春児がついに西太后にお目通りする名場面もあり、一気に読み進められた。中国への思いが高まること請け合い。中国に関心のある方にはお勧め。
西太后を中心に回る清の末期<BR> その権力の前に、誰もが沈黙する。<BR> しかし、西太后は決して悪ではない。<P> 善かもしれなかった。<BR> 西太后側につく春児。<BR> その対極につく親友梁文秀<P> 清で一番の近代的な軍隊である北洋軍の李鴻章。<P> 勢力が割拠しつつ、世の中を変えようとする若き力<BR> が活躍を始める。<P> 王逸と梁文秀と順桂のそれぞれの動きと春児の活躍<BR> 3巻が楽しみになる展開です。
シリーズ2巻目。主人公たちが中央に出て行くに伴い、西太后や李鴻章、袁世凱など有名どころが登場、役者が揃ってきました。大清帝国の末期、それぞれがそれぞれの天命と思惑でこの国を動かしていますが…西太后をこんな風に解釈するとは!! <BR>今までの中国史のイメージからはなかなか想像のつかないことですが、己の天命に対する苦悩が、彼女の底知れぬ恐ろしさを際立たせることになっていきます。<P>歴史的人物である脇役たちに囲まれ、主人公たちの未来はどうなるのか、そして龍玉の行方は…ということで、第三巻も読み続けます。