結構ブラックで、しかし牧歌的なショート・ショート集だったのでした。 <P>第1週め:「彼女の告白」 <BR>3年ぶりに東京から帰ってきた子供を迎える夫婦。<BR>変わり果てたその姿に動揺しつつも、受け入れようとする親の愛情。<BR>そして父親が打ち明ける驚愕の事実に、事態は急展開。<BR>シュール系コントの佳作。ロバートの秋山竜二と北陽の虻川美穂子が夫婦役やったらはまりそうです。 <P>第4週目:「ただそれだけで」 <BR>ちょっと心温まる、28歳独身、彼女の童話。 <P>第6週目:「WILD BOYS BLUES」 <BR>なさそうで、ありそうな、おかしくもかなしい中年男のブルース。 <P>一家に一冊。おすすめです。
「もやしもん」とは全く違う切り口の違う短編(時代モノから不条理SF、童話的ショートショートetc...)を11編収めた単行本。<BR>トーンをほぼ(全くかも?)使わない緻密な作画もさることながら(特に「フランスの国鳥」で見せた夕暮れへと向かう時間経過の描写が滲みるようで大好き)、<BR>一捻り半くらい捻ったオチへと無理なく繋げていくストーリー構成に思わず笑わされたりつい切なくなったり、色々と忙しくも楽しく読める短編集です。<P>個人的にハズレのないお話ばかりでお買い得感もたっぷり(この出来と厚さでこの価格は本当に安いと思う)。<BR>特に表紙絵にもなってる「フランスの国鳥」は良質な童話に出会えた気分に浸れるのでは。<BR>もちろん笑える短編の方もきっちりと。
毎回毎回異なる切り口で、連載時には、感心していた。長編の作品では、なんとなく「軽く」なって読み応えを失う著者だが、ことショートだと、次から次へと異なる視点への鮮やかな転身は、とても読者として気持ちがいい。