連載されてるヤングマガジンで見ても、とても綺麗な絵なんですが、コミックスになって紙がよくなった為に、雑誌の紙質では潰れていた原画の細かい線や淡い塗りなどが、ちゃんと再現されてさらに美しく見えます。そんじょそこらのカラーページより綺麗と言ったら言いすぎでしょうか?<BR>それにしても出版社の売り方が上手い。読んでみるとわかりますが、本格的に仇討ちが始まる2巻と一緒に読まなければ、1巻の面白さは読者に伝わらなかったと思います。この販売方法は有りだと思いました。<BR>作者のせがわまさき氏の描くキャラクターが好き(特に女性が)なので、次もヤング誌らしい表現に期待しています。
このせちがらいご時世に一挙二巻同時発売ですか・・・ええ、分かってます。どんあに懐具合が厳しかろうとバジリシクにどっぷりハマッたわが身。買わずにはいられませんて。で、これがまたいいんだ。買って損なし。またアニメ化してほしい作品です。
山田風太郎氏の『柳生忍法帖』をせがわまさき氏がコミック化。前作の『バジリスク~甲賀忍法帖』が非常に良い出来だっただけに、いやが上にも期待が高まります。<BR>前巻で物語の端緒が示され、今巻からはいよいよ本格的な仇討ちが始まります。<BR>直接の敵となる七人の家来衆の内、最初に仇討ちのターゲットとなるのは「鎖鎌使い」。リーチのある得物を如何に封じて敵の懐に飛び込むか、柳生十兵衛が仇討ちを狙う女たちに授けた策略が見所です。<BR>また、ラスボスであろう敵役の殿様が非常に良い味を出しています。「勧善懲悪もの」「仇討ちもの」の敵役としてはまさしく理想的といっていいほどの嫌らしさですね。<BR>原作の『柳生忍法帖』も一読していますが、『甲賀忍法帖』と比べると遙に血生臭いシーンや淫蕩なシーンが多いので、せがわ氏がどのように表現するか、どこまで表現するか、興味の尽きないところです。