今まで多くの文章の書き方に関する本で「文はその人そのものを表す」と言われて来たのに対して、著者は、「文書は、化粧のような自分を演出するための「技術」だ」と言っています。<P>また、一般に「自分の考えていることを素直に書け」と言われることも多いが、そもそも考えていることが明確にあるかどうかは疑わしい。<P>むしろ、「書くことによって自分の考えを作り出せ」・・・と言った言葉に共感しました。<P>著者は、このような文書力をつけるためには、1.問題提起 2.意思表示 3.展開 4.結論のような「型」を意識することで、文書を書く技術を伝授しています。<P>また、本書では、様々な例題を設定して、実際にいろんな立場で文書を書く技術練習を読者が体験できるように工夫されています。<P>今まで出った文書の書き方の本では、大所高所から著者の思想を主張する部分が多かったり、あるいは逆に例文の提示に終始し具体的説明に欠けるhow to本であったりが多かったと思いますが、本書は、著者の文書に対する抽象的な意見は抑え、正面から、技術としての文章力に取り組んだ素晴らしい本だと思います。このことで、むしろ、著者の「文章力は技術だ」と言ったポリシーが伝わって来ました。<BR>
文章を書く際の基本の「型」が分かるので、とても助かる。文章は奥が深いが、という著者のことわりはあるが、日常のビジネスシーンではこの「型」を知っているだけで、随分と違うし、役に立つものだと思う。
「頭がいい人、悪い人の話し方」にはうんざりだったが、<BR>彼の名前を世に広める上では非常に効果的だったのだと思う。<P>かくいう私も彼の名前につられて手にとってみたのだが、<BR>小論文、自己推薦書、エッセイ、そして手紙やメールの書き方まで、<BR>豊富な具体例、的確な改善例をあげて解説されており、好感を持った。<P>特に小論文の稿では、”ゆとり教育”という1つのテーマを用いており、<BR>どのような論理を組み立てがあるのか、どのような書き方が好ましいのか、<BR>1つの方法が絶対ではなく、多くの好ましい書き方がある。というスタンスで進む。<P>多くの事例を70ページに渡って挙げてくれた点は、少々しんどかったが、<BR>それでも、ハウツーが網羅されているようで満足に感じた。<P>小論文を学ぶ学生だけでなく、入試などで小論文課題のなかった世代<BR>(30代以上?)には絶対お勧めしたい。