見かけの楽しさだけではなく、オートバイの根元的なもの、<BR>「自由」について、読者に問いかけてきます。<BR>オートバイは、オモチャである、故に自由である。<BR>しかしその自由とはいったい。。。<BR>オートバイに乗る人には全て読んで欲しい。<BR>多くの人が漠然と心に思い描いているだろうことを<BR>見事に表現しきった、花村萬月。さすがです。<P>今まで読んだオートバイ関連の本では間違いなく1番です。
本書を単なるバイク旅行のススメとしてだけ読むのはもったいない。<BR> 冒頭からいきなり、バイクは「人を殺す道具」だとはっきり宣言しちゃってますが、この宣言が、単なる「旅に出よう」的メッセージに還元できないピリッとした緊張を感じさせます。<P> 自由と死とは紙一重なのかもしれません。だとしたら安全が保障された生ぬるい日常は、「自由」から最も遠いものでしょう。<BR> 自由って何だろう、どうしたら手に入れられるの?その自由を得るための最適の道具が著者にとってはバイクです。
オートバイと旅をテーマにした本は数あれどこの本ほどハードボイルドな本はあまり記憶にない。たいていの本はどっか嘘っぽかったり(最初から断り無くフィクションかもしれないが)、音楽を文章に絡めたり、登場人物が出れば名がカタカナだったり(笑)、何か軟弱なのである。<BR>しかしこの本はずばり男っぽい。花村氏の筆力は素晴らしいと思う。