ジャズの入門書と言うと、「ジャズの巨人」とか「ジャズの名盤」とか「ジャズの歴史」とかいったことが網羅的に解説されていることが多い。ジャズの全体像のお勉強といった感じである。<P>本書はこれらの本と趣を異にする。ジャズを聴き始めるにあたり一枚目のCDをどのように選べばよいかとか、自分のコレクションをどのように増やしていけばいいかとか、どこに行ってジャズを聴くのが良いかといったことが書かれているのである。ジャズを聴き始めるための入門書といった感じである。実践的だ。<P>これからジャズを聴き始めようと言う人にとっては本書こそ役に立つであろう。<P>著者のこだわりが随所に出てくるため、若干押し付けがましい感じがしないではない。一旦反発を感じるとうんざりさせられてしまうかもしれない。<P>もっとも、私が読んだ範囲ではジャズ関連書は独断的というか個人の主張を一方的に述べているだけの本が多いので、本書もその中のひとつであるというだけのことではある。
押し付けがましく口喧しいジャズファンを嫌う著者自身が、実に押し付けがましく口喧しいという矛盾に満ちた一冊。ジャズでも聴いてみようかなという方は手に取らない方が賢明。
この国にはびこる音楽産業の実態に深くメスを入れている。<BR>音楽を文化として捉えようとする著者の良心に心を打たれる思いだ。<BR>個人的には巻末の「マイルス必聴盤50枚」が大いに役立った。<BR>「マイルスさえあれば他に何も要らない」という著者の信条を<BR>実践するものである。