本書の「ホンモノの思考力」と言った大きなテーマから<BR>当初、「何が書いてあるか」大きな期待を招く一方で、この種のタイトルの本にありがちな、極めて主観的な本か、はたまた、タイトルとはおよそかけ離れた卑近な例をあげるだけの「看板倒れ?」の不安を持っていました。<P>しかし、不安は不要でした。難しいことを実例中心HOWTO本のような軽快なスピードで一気に読めました。<BR>筆者独自の方法論「二項対立思考」「型思考」「背伸び思考」は、新鮮で強い興味を引くだけでなく、「具体的にどのように生かしていこうか」と積極的に自分自身の思考力を高めていくことを考える きっかけを与えてくれる本だと思います。
終盤で紹介されていた「禁じ手で相手を言い負かす法」がおもしろかった。度々使えば人格を疑われかねないと書いてあるが、知っておいて損はないと思う。他の部分の著者の意見に賛同できなくても、そのようなテクニックを個別に取り入れることは有効であると思う。
プロの研究者として、論文の書き方には自信があったんですが、そのやり方をそのまま会議での発言の仕方にも応用できる、というのは目からウロコでした。ここでフランス人について言われていることは、アメリカの一流大学の大学院生についても言えますね。背伸びをする、というところは本当にその通りという感じ。基本ラインは彼のほかの本と一緒なのでどれか一冊読んだら十分かもしれません。僕がふだん学生に教えようとしている内容を非常によくまとめてくれています。このような思考法を訓練したい方はぜひ宇都宮大学教育学部社会学教室へどうぞ。社会人の方向けに公開講座なども開いています。