この冒険談の主要な登場人物は、子どものみ。みんな大きい子どもだ。<BR>彼らは夢に生きているようで、しかし現実に驚くべき生命力と無謀さを持って生きている。<BR>彼らの一見おかしな行動の数々から、「知りたい」という知的探求の為せる技を見せつけられるようだ。<BR>おそらく彼らの中にはモケーレ・ムベンベが色濃く輪郭を持って存在し、生々しい質感を持っているに違いない。でなければ、あそこまでできないだろう。さすがにマラリアは勘弁だ。<P>ムベンベが確かにテレ湖にいて、でもこれから先捕まらないといい。<BR>この本を読むと、年を取った子どもがいつまでも現実に生きる力を「未知」という単語が秘めている気がしてならない。<BR>冒険は純粋に自己のためだけに存在する。ただ、冒険をするならばそれが他人の力になるまで、奥行きを持ったものにするべきである。この本はまさしくその奥行きを持って小さく社会に叫ぶ。<P>気付け、世の大人たちよ。かつても今も自分の中に存在する子どもに。
ムベンベって何だかご存知ですか? 正確にはモケーレ・ムベンベ、現地の言葉で「水の流れをせきとめるもの」という意味を持つ、アフリカはコンゴのテレ湖に住むという幻の動物の名前です。もっとわかりやすくいえば、ネッシーやイエティなどと同じ、目撃例は数多くあるもののいまだに実在を確認できていない、未確認動物(UMA)の一種です。本書は、このモケーレ・ムベンベを探しにいった早稲田大学探検部の、怪獣を探しに行くことになったきっかけから準備の段階、さらにはその結末までの一部始終を書き綴った体験談・冒険談です。<BR>一読、よくぞここまでと驚き半分、何もここまでとあきれ返るのが半分。行く手を阻むジャングルを乗り越え、日本にいてはまず絶対に口にできないようなものを食べ、蚊の襲撃に悩まされ、マラリアに怯え、それでも男たちは行く。なぜならそこにモケーレ・ムベンベがいると信じているから! うお~! これぞロマン!! すごいぞ探検部!! 前言撤回、よくぞここまでと驚き半分、何とここまでと感動半分だあ~!!<BR>この探検は1988年、すでに一昔も前のことなのですが、モケーレ・ムベンベは今でも謎の生物のまま。このことからも、早稲田大学探検部の成果はわかることと思います。確かに結果だけを見れば、本書は探検部の失敗談を語ったものといえるでしょう。しかし、成果結果はどうあれ、「怪獣を探しに行く」など人に話したら笑われバカにされてもおかしくないようなことに、本気で情熱をかけて努力する姿は、人を惹きつけてやまないものがあります。何よりも当の探検部の面々が、怪獣は見つけられずとも、テレ湖調査が終わったときには満足感・充足感でいっぱいだったのでは。努力したことを自慢しろと言っているわけではありません。結果が伴ってこそ、はじめて努力は報われるのですから。思うにこれは、『モケーレ・ムベンベを発見する』という大きな目標のための小さな努力の一つでしかなく、いつの日か、どこの誰でもいい、モケーレ・ムベンベの正体を確認できたときこそ、彼ら探検部の努力の成果が見られるときなのではないでしょうか。遠からずそんな日がくることを待ち望んでいます。
この本を読んで凄いなと言う感想を抱かない人はいないと思うが。 俺も行きたいと思う連中も結構多いと思う。 いい年をして(中年ですね)この本を読んで、今からでもムベンベを探しに行きたいなとオヤジに思わせる何と言えばいいのかな、子供の頃からの夢をそのまま実現させてる冒険記ですよね。<BR>子供から大人になっても消滅しない夢ですね。<P>参加した学生も今では自衛官やら売れない作家やらになっているし中には当時から余り変わらないのではと思わせる人もいるが多くは取りあえず職に付いてる。 今、彼らがこの冒険記を振り返ってどう思ってるのか? 読んでいて興味深かった。 彼らの子供が同じようなとこをする際に応援するんだろうな。<BR>私だったら父親が恐竜探しにアフリカの奥地の湖に行った何ていったら父親は<BR>私にとってヒーローですよ。 何か、子供が今日はあそこまで行こうといって自転車で遠くに行くようなノリでアフリカに行ってる感じもして、肩に力が入らない、それでいて本当にわくわくさせてくれる日本では最高の冒険旅行記です。 俺の給料を賭けてもいい。 この本を読んでわくわくしない奴はいない。 借金してでもこの本を読むべし。 休日に映画を見ようと思ってる人なら、映画を止めてこの本を買えば映画より数倍、素晴らしい世界に入れます。<P>どこかの出版社、週刊誌や月刊誌がこの作者を世界の辺境に送ってシリーズで本を書かせれば吉野さんのグレートジャー二ーとは違うけど世界を、地球規模での冒険旅行記で売れると思うけどな。