「サバイバル・バイブル」は著者の独特の価値観・経歴・行動原理等がマイルドな皮をかぶって実は非常にディープに凝縮されている本だといえる。いわば柘植久慶を知るための基本書の1つ。言うまでもないが、「女子高校生のセンティメンタリズム」、「コンヴィニエンス・ストア」、「タンジャンサウジャ」など柘植節も炸裂☆
まずですね、著者の略歴にぶっ飛びそうになりました。「フランス外人部隊として、コンゴ動乱、アルジェリア戦に参加。インドシナで対ゲリラ戦を闘い…」ですよ。こんな人が説くサバイバル術は実に骨太です。<BR>内容は、天災に始まり、野生動物や伝染病、各種事故と進み、しまいには暴動、戦争、クーデター、あげくに生物・化学・核兵器に見舞われた時の生き残り方まで記されています。それこそ、日常的に参考にしたいと思えるものから、これはまた…と絶句しそうなものまで。<BR>考えてみれば今日、こんなことあり得ないよと一笑に付することは、どうもできないようです。天災はともかく、理解しがたい事件や事故が多発し、「自分の身は結局自分で守るしかない」と当たり前のように言われる時代です。しかし一方で、「でも自分だけは大丈夫」という、妙な思いこみもあります。この本を読んで我に返り、万が一に備えたいと思いました。
天災、人災、戦争、その他あらゆる危機から自分や家族を守る方法が書かれている。<P>類書を読んでいないのでなんともいえないが、著者の実際の体験に基づいて書かれていること(日本人の大半は著者のように戦地で戦ったことはないであろう)、文庫サイズなので携帯に便利なことから、一冊あると便利だと思われるので、星5つとする。<P>なお、この本の記述内容には、多少疑問の残るところもあるが(一例を挙げると、少年犯罪増加の原因を少年法に求めているが、そのことは証明されていない(戦前と比較していないから))、そのことはこの本の目的と関係がないので、星は減らさないでおいた。