米大統領のJ・Fケネディが、日本人記者団から、「日本で最も尊敬する人は誰か。」という質問に、「それは上杉鷹山である。」と即座に答えたことはあまりに有名であるし、むしろ逆にそのことによって彼の名がメジャーになったとも言えよう。<P> 本書は童門氏が描いた、上杉鷹山の感動小説である。<P> 宮崎の田舎町、高鍋藩から養子として上杉家に迎えられ、質素倹約それでけでなく殖産興業にもつとめ、財政の健全化を達成したその手腕は、現代社会に生きる我々にも十分参考になりうるものだろう。<P> ただ本書はそれだけではない、よそ者の指導者が始めた改革の反発をどのように静めていったか。藩士や領民達に深く愛情をそそぐ藩主の姿は、時に眼に涙をためさせる。<P> 堂門氏の力作、是非読んでください。
童門作品というと経営指南書的な読まれ方が多いかと思いますが、この作品は純粋に小説として読んで頂きたい。<BR>主題は"仁=思いやり"の一語に尽きます。領民全てに対する国家的規模の思いやりが主人公のバックボーンとなっており「何のために男は存在するのか。真の為政者とはこうありたい」という姿を切々とうたいあげます。<P>あまりにも綺麗な話に少々閉口される方もいらっしゃるかと思いますが「そもそも世の中というのはこうあるべきだ」という、物事の正しい基準を再確認したい方は是非ご一読を。私も心の汚れをリセットしたい時にはこの作品を再読します。
尊敬する先輩にこの「鷹山の誠実さに胸を打たれた。自分の不誠実さを反省した」と言って薦めれらた。<BR>私からすれば、その人は十分過ぎるほど誠実である。<BR>その人から薦められれば読むしかない。<BR>その人が海外留学に旅立つまで数日しかなかった。<BR>出発までに読了の感想を伝えるために1日と少しで読んでしまった。<BR>いろいろな意見があるが私は感動した。<P>著者は「政治には愛と信頼がなければならない。これが政治の成否の一切を決める」<BR>この精神を伝えるためだけにこの本を書いたと私は思う。<BR>まるで人生哲学を教えてくれる教科書のようだとも感じた。<BR>ともかく著書の暖かい筆致に心を揺さぶられた一日であった。<BR>友人や家族、このレビューを御覧の方にぜひとも読んでいただきたい。<P>ちなみに私が読んだのは人物文庫の鷹山であることを付記しておきたい。