男たちの物語ではあるが、忘れてはならない女の存在。<BR>1巻では特に王進殿の母の存在が大きいと思う。<BR>荒くれ男を教育していく、めっちゃかっこいいではないか。<BR>そういう母に私もなりたい。
久々に胸が躍る物語に出会えた。宋代末期、腐敗した政治を立て直すべく各地で立ち上がった男たちの戦い。登場人物の一人一人が漢と呼ぶに値する。彼らの友情、師弟関係、信頼関係、そして心をひとつにして志に向かう姿は、常に私の胸を熱くさせる。そして、彼らに立ちはだかる敵の姿もまた、単なる腐敗した役人ではなく、彼らと違うやり方でもって政治を立て直そうとする人間たちなのである。ここに登場する人物は、誰もが熱い血を体の中に駆け巡らせ、あるいは迷い、自分の力のなさを呪いながらも、信じるもののために突き進む。簡潔にまとまった行間から、彼らの鼓動が伝わってくる。生身の熱さを感じる。最後まで彼らの行く末を見届けようと思わずにはいられない物語である。
いつかは読もうと思っていた古典。 しかし、そう考えているうちはなかなか読めないのが現実、やっと読める時がきたという実感が沸いてきました。<P>あまりにも多くの作家によって出版され、北方謙三氏自体の作品も未読の私でしたが、ある雑誌のレビューに騙されて手に取ったのが運の付き。 中国、しかも古典となると難しい漢字のオンパレードで<P>読みにくかったりしますが、ページをめくる指も軽やか。あっという間に1巻目を読み終えたところ。登場人物が多くて難儀するかもしれませんが、そんな苦労も気にならないほどハマってしまうでしょう。<P>肝心の内容ですが、腐敗しきった宋朝を打倒すべく立ちあがった宋江、志を供にする者を各地から集めることができるのか?<P>壮絶かつ壮大な物語がスタートしました。