確かに今現在では“生涯最高”ですが、まだまだサイバラさんはこんなモンではないはず。<BR>で、個人的に思うのですが“ホワイトバンド”よりもこの“うつくしいのはら”これを各国語に訳して公開したようが、よっぽど『貧困とはなにか?』とか『戦争とは?』と考えるきっかけになるのではないかと思います。<BR>ただ、人によっては合わない場合もありますが、サイバラテイストは一度受け入れてしまうとヤミつきになるのですがね。
「・・・ものがたり」シリーズの他の2作品と比較すると、全体に従来の西原ワールドが色濃く出ている作品だと思います。「上京ものがたり」「女の子ものがたり」のテイストが『とても』好きな読者にはどうかと思いますが、「うつくしいのはら」や浦沢直樹氏への毒等々色々なものが混在となって西原氏のパワー全開と思える一冊でした。
~「営業ものがたり」に見られる「毒」と、「うつくしいのはら」にあふれる人間への愛(という表現がふさわしいのか、判断に迷うところではありますが)。両者が混然としたまま、ぽーんと提示されている、という点で、とてもサイバラらしいな、と思いました。両者は矛盾なく一人の中にあり、私たちに訴えかけます。受け取る側の容量で、それはいかようにも変わ~~りますが、そこを規定しないところもまた、サイバラなのです。~