「おでん」の鍋の中という身近な世界をあつかって、おでんダネがキャラクターなるというファンタジー・・・。お鍋のなかの「ぐつぐつ」がほんとに会話に聞こえてきそうで楽しいです。色づかいといい、かわいいキャラといい、「これは人気が出るだろうな・・・」と思っていたら、やっぱりアニメになったそうで。ただ、1作目を呼んで「おや?」と思い、この2作目で、ますます「おやおや」なのですが、これはどう見ても柳家小ゑん師匠の新作落語のワールドですよね。絵本としてのできがいいだけに、とても残念です。出版社ではこういうことはノーチェックなのでしょうか・・・。子供たちの「夢」をあつかう世界だけに、さびしい気がします。
リリーさんのラブリーなキャラとポップな色使いが印象的な、かわいい絵本で楽しめました。シュールな世界観のおかげか、愛ということばも嫌味にひびきません。ただちょっと気になったのが、そのストーリー。落語家柳家小ゑん師匠の、おでんを題材にした名作「ぐつぐつ」とそっくりなところがあるのです。前作も合わせて読むとますますその世界の類似が気になります。オリジナリティの面で、リリー・フランキーファンとして少々失望しました。
おでんくん”あなたの夢はなんですかの巻”よりもちょっと切なくなるお話。リリーさんファンなら、この2冊は持っとくべき。色使いもカラフルかつ温かで、おでんワールドの住人達にも親しみがもてます。ただし、リリーさんの下ネタ、ブラックなノリに惚れている方は違和感があるかも...。私の子供が少し大きくなったら読んであげるつもりです。でも、おでんくんと同じ疑問をこの子が私に投げかけたら私は何て答えるんだろ...?又、同じ疑問を持ってもらいたいとも想います。<BR>UFOキャチャー限定で、おでんくんキャラのぬいぐるみがあるらしいですよ。