広末涼子さんが結婚して子供を産む前に書いた本です。<BR> 暴露本の類ではないので、ファンじゃない人がミーハー心で読むには面白くないかも知れない。<BR> 但し、当時の彼女の気持ちを正直に書いたのが理解出来るし(ゴーストライターが書いたとしても、そんな事はどうでもよくなる)、斎藤清貴さんがN.Y.で撮った写真のコメントにユーモアが感じられるので、彼女が嫌いな人も少しは好きになるのではないでしょうか。<BR> ファンとしては、彼女自身の写真が観たかったので、文章自体は★★★★★、全体としては★★★。
映画『恋愛寫眞』の中で静流が「撮った」写真を実際に撮影していた齋藤清貴のNYの風景とそれを見た広末涼子のコメント、そして(文中から察するに『元カレ』撮影期間中と思われる)彼女のエッセイ、この2つで成り立っている本。装丁がことのほか美しく出来上がっているのも、印象的。<P>前作『広末』でも試していた、大学入学時から本当の自分はこういう人間です、とメディアや他ならぬ「かわいい広末」ファンが作り上げたイメージを払拭しようとしている様子が伺える。この結果、メディアは「キレた」と誤解し、「かわいい広末」ファンを手放すことになったけれど、アイドルという肩書きを下ろしたことも重なって同年代の女性にも人気が出てきた。<P>2003年年末の「結婚・妊娠」報道でまたメディアは(そうとは気づかずに)自ら勝手にパニックし、いくらかのファン(男性が中心だろう)を失っただろうが、彼女の幸せや女優としての成功を一途に思っている人にはうってつけの緩衝材にこの本はなるはず。ひょっとすると、20代前半で出産をした、あるいはする予定の女性にも。<P>「子供を産むと女性は変わる」という話をよく聞く。あまりに周りから成長を促された彼女の、独身・子持ち前最後の文章である。<P>「女優・広末涼子」が戻ってくるまでは、この本を片手にメディアという雑音のない、彼女を記憶にとどめておこう。