ベルリンの壁崩壊前後に何回か東ベルリンに入り、また、ブダペストは共産時代に訪問し、解放直後に開発プロジェクトでハンガリー政府高官と幾度も交渉した経験等他にも東欧視察の思い出もあるので、極めて懐かしく大前氏のこの視察団レポートを読んだ。<P> ベルリンの壁崩壊直後、バブルの頂点にあった日本企業が大挙して視察団を中欧・東欧に派遣しビジネスチャンスを伺ったが、その後バブルの崩壊と不況、米国及び中国経済の好調によりグローバル・フォーカスがシフトし、地道な少数の企業を除いて忘れ去られていた。<BR> ところが、ハンガリーやチェコ等中欧のEU参入を皮切りに旧共産圏の東欧を巻き込む大拡大EUへの移行が進むにつれて、本来極めて文化文明・民度の高い中東欧が脚光を浴びてきた。<P> ソ連のCOMECON政策によって、分割統治、経済活動が分断されて、工業製品の部品を各国に分割生産させていたので、一国で完成品を自給自足生産が出来ず、生産性アップも技術革新意欲も削がれていた。<BR> ソ連崩壊後、独立したは良いが、その経済連鎖が切れて、どの国も経済情勢が急激に悪化し、自給自足できない経済状態から自力回復する為には極めて厳しい時代を経て資本主義経済への同化とキャッチアップの時期を過ごしてきた。<P> 現在、やっと経済インフラも整備され西欧にキャッチアップし、本来の高度な工業技術や高い教育水準と民度が開花しはじめ、それに、賃金水準が極めて安く、正にビジネスチャンス到来。<P> 大前氏は、チェコやハンガリーの工業及びBPO等バックオフイス事業、ポーランドの農業等日系や欧米進出企業のビジネス事情を詳細に報告しながら東欧へのビジネスチャンスと戦略を説く。<P> <BR>
6月ロシアのサンクトペテルブルグに、トヨタの張社長、プーチン大統領が、07年操業のトヨタ工場の鍬入れ式典に参加していましたが、中国で出遅れたトヨタは、チェコ、ポーランド、そしてロシアを視野にいれた欧州戦略を実行しています。<BR> 連日、東欧関係の記事がではじめていますが、大前研一氏はいち早くはじめた中欧、東欧の研究をもとに、あらたなボーダレス経済のチャンスを提示しています。<BR> 本書では、サンヨー、トヨタ、スズキ、松下電器、矢崎総業などの日系企業が進出した地域木を大前氏が取材、その裏にある戦略を明らかにしている。チャイナ・インパクト(講談社)で、中国ビジネスの活用を説いた著者が、次に注目する中・東欧のチャンス。<BR> ベストセラー『サラリーマン・サバイバル』シリーズの第5弾として、非常に興味深い力作だと思う。大前氏は、このチャンスを、皆さんの会社としてどう活用するかが大切だと書いている。5分でもいいので読んでほしい。
今ビジネスフィールドとして注目されている東欧。注目されてるのもわかるし、文字では理解しているけど、なかなかそれ以上の理解が深められないと思っていたのでタイトルに興味をもって購入しました。<BR>筆者が実際に歩いて集めた東欧情報が満載です。わかりやすく書かれているのでとても読みやすいですが、内容は浅く広いものになっているようにも思います。出張レポートのような感じでした。「ビジネスに東欧をどう活用するか」の視点で書かれているので、ビジネスマンには入りやすい内容です。