日本草創期の史料の少ない、また史料があっても、既存の史料の価値が時によって変化するこの時代を、極めて理論的に分析していて、読んでいてここちよかった。卑弥呼とはそもそも称号で、日巫女即ち天照神である、という氏の推論は、正否は別として、現在の魏志倭人伝にのみ頼り邪馬台国の位置を決定しようとする他のどの説よりも強烈なインパクトを受けた。時に学会批判が行き過ぎて、眉をひそめたくなるような部分もあったが、全体としてはシリーズのなかでも出色の出来だと思う。
なぜ和気清麻呂が宇佐神社にわざわざいったのか?かねてから不思議に思っていたことの解答が提示されている。もちろんそれが正しいかどうかはわからないが、寡聞にして本書以外にそのなぞに挑戦したものを知らない。<P>出雲大社の内部構造についてはまったく知らなかった。他の資料によって確かめたいものだ。<P>他にも卑弥呼、アマテラス、スサノオなど神話の神々についての記述は非常におもしろい<P>著者の論理展開が非論理的であるとの指摘は聞くが、それはさておき興味深い本である。
歴史が好きな人には面白くてどんどん先が読みたくなってしまう<BR>内容です。<BR>宇佐八幡と出雲大社のあたりの考察がとても面白かったです。<BR>ただ、難を言えば今までの学説のあり方を長々と批判する<BR>ところがある事でしょうか。<BR>読んでいる側としては早く核心を知りたいので<BR>ちょっとイライラしました(笑)