韓国や中国と歴史の共有なんてありえない。この視座が反動的とか偏向と映る思考停止状態がとても異常と感じる人には好著。大学生どころか、立派なつもりの大人も虚心坦懐に愉しめます。偏向だなんて、過去の人たちより進歩したつもりなんて、あまりにも幼稚。
中学生の娘に読ませてます。「もちろん私はやらないけど、援助交際は問題外として、ブルセラ(ちょっと古いか)はなぜ悪い? 誰にも迷惑かけていないのに。」などと聞かれて答えに窮していたバカな私。<BR> 福田氏の答えは、(少なくとも私は)納得いくものでした。
「後記」にあるように、「今を生きる若い人たちに、「歴史」の手ざわりを示すこと」がねらい。それ故、文体は福田の「語り口調もの」(?)の中でも特に平易。わかりやすい。<P> 教科書では無味乾燥にしか綴られず、紙の上の文字をなぞるだけだった歴史的事象や人物が、「歴史に感情的なものを取り戻そうという企画」によって立体的に感じられるようになってくる。<P> 「日本人」、さらには「人間」という共通した媒介項をたよりに、歴史が身近なものとなるだろう。<P> あまりに感情的に過ぎ、「愛国心」をむき出しにした本書は、若者に読ませる教科書としては偏りすぎていると言われるにちがいない。もちろん、これは教科書ではない。しかし、いろいろな留保付きで、あくまでバランス感覚を忘れずに読!のならば、これほどやさしく頭に入ってくる教科書もない。<P> 著者の意図がどうあれ、論壇に見られるような歴史論争から離れて読みたい。