なにより五嶋節さんのバイタリティに圧倒されます。<BR>いつか2人の子供の生演奏を聴いてみたい、そんな気持ちにもさせてくれます。<P>インタビューや文献情報も多く記載されており、苦労して完成させた著作であると思います。<BR>とは言え意地悪な言い方をすれば、全体として著者の消化不良も感じられます。
・すごい<BR>五嶋みどりを育てた彼女には、どれほどのエネルギーがあるのだろう。<BR>自身の才能のほかに、「食べていけるバイオリニスト」を一人育てたのだ。<P>「おなかがすいて困っているひとに、ある人は魚を与え、ある別の人は魚の釣り方を教えた。」という話がある。節さんは娘に多分、ひとつの方法を教えた。わたしも自分の子供と戦いながら子供に魚を釣る方法を教えたい。<BR><BR>・わたしの反論<P>節さんの意見に、わたしは異論があるところがある。「本当に苦しんでいる人はクラシックを聞きたくない」というところだ。全てそうではないですよ。心に鳴り響くクラシックで、がんばって生きている人は沢山いますよ。<BR><BR>・わたしの願い<BR>一度でいいから節さんの演奏を聴きたい。好きなクライスラーを演奏してCDを出して欲しい。<P><BR>ちなみに「絶対音感」という本がありますが、その本の一部は「母と神童」の続編のようになっている。その後の五嶋節さんに会いたい人は読んではいかがでしょうか。
輝かしい五嶋みどりの演奏の裏にはこんな大変な生活の日々、心の病との葛藤があったんだと初めて知りました。神童が故の苦しみなど読んでいて心が痛みました。母、節と歩んできたアメリカでの生活、そして母から自立していくみどりの姿が読み取れました。非常に読みやすく節という人間像もわかりやすいです。音楽をやっている人、そうでない人にも是非皆さんに読んで欲しいです。