日本語に訳せば同じような意味になる単語の使い分け、及び<BR>それらの単語と共に使われる傾向の強い単語をまとめた一冊。<BR>ある程度の単語を覚えた英語中級者にとっては、似たような意味の<BR>単語が増えてくるので、それらを使い分ける力も必要になる。<BR>そのためには、この一冊はかなり適していると思える。<P>例えば「湿った」という言葉を引いてみると・・<P>damp:不快を感じさせる湿り方<BR>moist:良好な湿り方<BR>humid:空気が不快なほど湿り気を含んでいる状態<P>・・と、冒頭で各単語の大意が記されている。<BR>続いて、各単語と共に使われる傾向の強い単語の<BR>トップ5が例文＆和訳と共に並ぶ。dampでは、<P>damp＋名詞 1:close 2:towel 3:sand 4:hair 5:condition <P>I used a damp cloth to wipe the sticky stuff off the walls.<BR>湿らせた布で壁のねばねばをふき取った。<P>I hate trying to dry myself with a damp towel.<BR>湿ったタオルで体をふくのは嫌だ。<P>・・といった具合である。各単語に例文が5つ載っているので、<BR>この「湿った」の部分だけで15個の例文を目にする事が出来る。<P>最後に、使い分けのポイントが載っている。長くなるので<BR>正確には書かないが、dampは具体的な物や状況を表す名詞に、<BR>moistは湿った状況を肯定的に捉えた表現で、humidは気候や<BR>自然環境に・・などなど。<P>熟読しても勿論使えるし、軽い気持ちでパラパラとめくっても<BR>結構楽しめる。尚、日本語と英語、それぞれの索引も付いている。<BR>しいて言えば各単語に発音記号が無いのが不満だが、<BR>その不満が気にならないくらい満足できる一冊だ。
英語コーパスをもとにした初めての辞典と言うことで、発売後すぐに購入しました。見開き２ページで一つの意味を解説しています。２色刷り目立ちますが見やすいです。コーパスサーチのランキングは、さすがコーパスをもとにしているだけあり、納得です。<BR>私のコーパスとの出会いは１５年位前でしょうか。大学の研究室ででした。当時、情報関連の学科で、自然言語処理を研究していた私は、計量言語学に傾倒して行きます。私が入力した情報量が、当時のコンピュータの性能と容量を超えていたための必然でした。<BR>そして、とある奈良の女子短大が発表した、格助詞「が」を中心としたコーパスと出会います。なんと、１年分の新聞より、格助詞「が」と結びつく言葉を統計処理した資料です。訳もわからず作業させられた女子学生は気の毒ですが、計量言語学を志す者には貴重な資料です。<BR>この辞典は、ＢＮＣと言う１億語のイギリス英語のコーパスをもとに編さんされています。統計手法より導き出された「単語の使い分けデータ」は、効率的な学習効果をもたらすでしょう。ありがたや。ありがたや。電子辞書の登場でも驚きましたが、こんな世の中が来るとは。
１ページごとに大興奮しています。コーパスに基づいたコロケーションを用いて、類義語を説明している本です。コロケーションによってその単語がどのような単語と結びついているかがよく分かり、しかも類義のコロケーションが横に並んでいることで各単語のニュアンスの違いが大変クリアになっています。<BR> 読めば読むほど、自分の英語への理解の浅さが分かってきます。そして、言葉の世界がこんなに深く豊かであることへの感動と、それを提示してくれた著者への感謝とを感じました。
