上下に分かれている長編を、1日で一気に読み終えました。<BR>実に快適な読書体験をしました。作者は非常にサービス満点であり、大変に分かり易い文章で、細部まで良く理解出来るように表現してくれています。また、登場人物たちも非常に能弁で、通常の人はことばでは言わない所まで、丁寧にことばで述べてくれています。ですから、読者としては、考え込んだり、立ち止まったりする必要が無いのですね。まるで、遊園地で遊んでいるように、目の前を興味あるアトラクションが次々と繰り広げられると言う感じです。読み始めたもう止まらなくなりますね。<BR> つまり、小説でありながら、文章をほとんど意識しないで読めるのです。<BR> ですから、読書は苦手、長編なんかとんでもないう人にも、充分に読めるものです。楽しみながら読めて、大長編を読み切ったのだという大きな満足感が得られますよ。<BR> 特に、読書を苦手としている人たちへお奨めします。きっと読書の自信が得られますよ。
村上春樹さんは実は非常に器用な作家であることが分かる。特に今回の星野ちゃんとカーネルサンダースの会話は秀逸。でも読み終えるとちゃんと「文学」として成立している。<P>芥川賞や直木賞などのカテゴリーを大きく超えた読み物になっている点が海外からも高評価を得ているところだろうか。<P>連休中に充実した時を過ごさせていただきました。
楽天的で、出たとこ勝負。仕事を無断欠勤してまで風変わりなナカタさんに付き合うホシノくん。彼の愛らしさから目が話せない。<BR>ホシノくんに自分を重ねていると、小説を読みながら、私もホシノくんと同じように、「ナカタさんの目を通してものを見られる」ようになったような気がする。ほんのちょっとだけだけどね。<BR>彼は自分で言うほど頭悪くないと思うよ。<BR>彼が「人生なんてどう転んでもクソみたいなものなんだ」と言うのを聞くと、これからの人生程よく、リラックスして生きていけそうな気がする。<BR>ありがとう。ホシノくんからこの小説で得たものは大きかったよ。<BR>勿論田村カフカくんから得たこともある。<P>人それぞれ胸に響くポイントは異なるかもしれないけれど、きっと皆何かを得られる。それだけ仕掛けの多く施された小説。読む価値はある。<P>ところで、村上氏の小説には必ず、手をたたいてそうそう!と思えるたとえが出てくる。今回の私のヒットは「趣味の雪かき」byホシノくん。分かる!!