志の輔さんが落語会のマクラでしゃべった、自分の旅のおもしろエピソードを集めた本です。要は漫談の活字化なのですが、いいネタは本で読んでも、文句なしに、おもしろい。気軽に読んでいてつい爆笑してしまう事件や人物が数多く紹介され、しかもそれらが立川志の輔という当代最高レベルの話術の持ち主によって巧みに表現されているので、最後まであきることなく、一挙に読み終えることができました。いわゆるカルチャー・ショック的な話題が豊富なため、読書によって読み手の世界や視野が広がるし、さらに自分の旅の経験を他人に上手く伝えるためのテクニックも学べることでしょう。文庫本のみ、というのも、この本の内容に見合っていて、いい。