拒めない、美しいと思うもの。<BR>『仮面の告白』はフェチシズムの世界ではないでしょうか。<BR>この小説の主人公の男の子は、両手首を上に縛られてる姿が好きで、<BR>体育の時間に先輩が鉄棒をしている姿を見て恋に目覚める…。<BR>彼の悩みと挫折感、そして愛が三島特有の美しく文章で綺麗に描かれている。<BR><BR>同性愛だけに囚われずに読んで頂きたい作品。<BR><BR>24歳にしてこの文章を書き上げる三島由紀夫はやはり天才だっ。
拒めない美しいと思うもの。<BR>主人公の男の子は男の人が両手首を上に縛られてる姿が好きで、<BR>男の先輩が体育の授業の時に鉄棒をやってる姿を見て恋に目覚める…。<BR>彼の苦悩と愛が三島特有の美しい文章で書かれています。<BR>同性愛だけに囚われずに読んで頂きたい作品。三島最高ッ。
川端康成は、谷崎純一郎の死に、作家は畳の上で死ぬべきではない、と答えたが、作家の死に方が作品を左右するだろうか。では、作家の全てが苦悩の死を迎え、その後の評価に繋がっただろうか。<P>(三島の場合は、特例であるだろうが)作品にその死に方の源泉を求めようが勝手である。それらは評者がよくよく論じ、著者として世にも送りだしている。が、この作品が割腹自殺によりその評価と三島文学が左右されるのは甚だ疑問である。また、これを一個の同性愛者のための同性愛者による著作だと受け取ることも同様だ。あのラディケも、処女作肉体の悪魔を自分自身の半生ととられるのは疑問である、と記している。これは、三島文学の一端であり、その神殿を支える支柱であり、耽美小説の傑作であると、私は思う。