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| 「三島由紀夫」とはなにものだったのか
(
橋本 治
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女性不信なのに女なんて要らない、と言えなかった男の子たちの背中を押したのが「電波男」なら、この本は「自意識と深く絡み合った性癖のせいで恋愛ができなかった男の子が、自分を肯定しようと四苦八苦したあげくに滅びていった」ことを「作家橋本治」の目線で述べている。この解釈が正しいのかどうかは知らない。三島自身が生きていれば当たっていようが間違っていようがきっと「違う」と言い切るであろう。が、この本を読んだあとには三島が40年遅く生まれていれば、「隠れショタ萌えのオタ官僚」として、死なずにすんだような気がしてしまう。その代わりに文豪にも時代の寵児にもなることはなかっただろうが。
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