新撰組、土方歳三の生涯を描く作品です.<BR>司馬遼太郎さんの名作ですね.中学生には教科書で日本史を教えるよりも司馬遼太郎さんの作品群をグループごとに課題図書で読ませておけばいいでしょう.教科書にのっているつまらない歴史上の人物がたちまちリアルな姿でわきあがってきます.(司馬さんの見方に偏りがない、とはいいません.しかしすべての歴史記述は偏りがあるものです)<BR>弁護士の友人から最近きいた言葉ですが、職業上、日頃から心がすさむような文章ばかり読まされていたのだが、休日に司馬遼太郎の本を読むと楽しくてたまらなくなってくる、というのです.<BR>僕も電車で読みふけっているとおりるべき駅で降りたくなくなってきますね.<P>明治維新のころを読むと誰でも自分がこの時代に生まれていたらなあ、と考えるのではないでしょうか.<BR>それは三国志や、戦国時代の物語でもそうでしょう.しかし、現代もちょうど変革のときを迎えているような気がします.<BR>自分の年齢と土方を比較するとまだまだやるべきことが残っているように思います.<P>ふと思ったのですが、昔は300人の兵隊をもつことは大変でした.今ではもっと大変なことかもしれません.し~~かし、現代でのお金がその兵隊に相当するのではないかな、ということです.お金と言う兵隊は命を奪うことなく自分の夢のために働いてくれます.乱暴にいうと、1000万円用意して事業を興す人は1000人の兵隊を用意してことにあたるようなものですよね.兵隊を貸し借りするようにお金も銀行から借りたりすることができます.このようなアナロジーで考えれば、現代人~~も自分の器を歴史上の人物と比較検討ができるかもしれませんよ.~
この本は、土方歳三を中心に、新撰組の魅力を余すことなく描いている。<BR> 新撰組は、歴史の流れの中では敗者となってしまうのだろう。時勢を読むことができず、最期まで幕府にしがみつき敗れていった。そのことに間違いはないだろう。では何故これほどまでに彼らは愛されているのだろうか?その答えはきっと「彼らの生き方」にあるのだろう。<BR> 烏合の衆だった彼らを取り立ててくれた幕府。その恩に報いるために彼らは懸命に戦った。自分達は時代の流れに沿っているのか?倒幕の勢いは止められないのではないか?薩長に付いたほうが有利ではないのか?そういったことに心を悩ませることなく義のために戦った。<BR> 「士は己を知るもののために死す」<BR> 彼らを「愚か者」と呼ぶことは容易だが、私は彼らを「忠義の士」だと思っている。
新撰組副隊長土方歳三の焦点で描かれた作品。<BR>歳三の生き方、考え方がかっこいい!しぶい!<BR>江戸から明治へと変わり行く動乱の時代に己の力を信じ、<BR>それを兼定(歳三の刀)に託し、切り開き突き進んだ漢。<BR>自分を生来の喧嘩師と考え、戦の中で生き、戦の中で死ぬのを本望とした。<BR>そんな歳三の正義が描かれた爽快な物語です。<P>歴史にもしも、はありえないけど、もし歳三が明治時代にも<BR>生きていたらどうなってただろうなーと読後ふと思ったりしました。