日本語は難しい。いろいろな外国語を習得してきたが、母国語であるはずの日本語が一番わからない。当然、母国語だから読み書きや会話はできるのだが、その仕組みを意識して使っているわけではない。<P>私にとってこの程然様に不可思議な日本語をざっくりと解して大まかな理解に到達させてくれたのが本書であった。言語の仕組みの本など大抵は退屈なものなのだが、本書は読んでいて笑いがこみ上げてくる。<P>エンターテイメントとしての日本語文法書。すごい本だ。
学校の授業ではまず習うことのない、あらゆる角度・分野からアプローチした日本語の解説書です、明治以降の欧米模倣の国語教育に随分無理があったのがよくわかりました、著者の言葉への造詣の深さに驚嘆しました。
それまで、国語や受験勉強のシーンでただただ退屈だった「日本語文法」の世界。本書は、新聞や広告、雑誌記事、ヤジ、遺書、法律文など日常目に(耳に)する「言葉」を例解しながら、はっと驚く新事実を次々と見せてゆく切れ味鋭い日本語エッセイである。「敬語量一定の法則」「n音の問題」「格助詞『が』の出世」などなど、このレビューの文字数では「本書を読んでください!面白いです!読めばわかります」としか言えないのがもどかしい。抱腹絶倒目からウロコ、初版からすでに20年以上経つが、未だ色褪せることのないエバーグリーンブックである。