歴史には、しばしば英雄が登場するが、同時期に英雄が揃って登場するのは稀である。<BR>この第2次ポエニ戦役の主役となるのは、カルタゴの「ハンニバル」とローマの「スキピオ」のふたりの英雄である。<BR>このふたりが刃を合わせる事がなかったのは残念であるが、同時期に活躍した偉人として比較するのは、興味深いしおもしろい。<BR>また、領土を侵される劣勢に立たされながらも、次々と策を案じ、的確な人事と対処を怠らなかったローマ人の気質は、今にもつながる教訓を与えてくれるとともに、この本の読みどころでもある。
いよいよアルプスを越えてローマとの戦いにいたるハンニバル!たくみな心理戦や誘導作戦で次々とローマを撃破、ついに最大の決戦カンネーにいたる。だが、この戦い、わずかに生き残った兵士の中に10代のスキピオがいた。スキピオはスペインに渡りハンニバルの戦術をもってカルタゴを破る!二人の天才、ハンニバルとスキピオがそれぞれに来るべき決戦を目指す!
アルプス越えを達成したハンニバル。あわてる元老院。そして好機を生かすことを知らないカルタゴ本国。この3つが交錯する第二次ポエニ戦役。カルタゴからの援助もないままでどうしてハンニバルはそこまで会戦に勝てたのか。ハンニバルの活躍。ローマの将軍たちの損失。しかしそのすべてがハンニバルを負かす最大の理由となる。ハンニバルの活躍が少年に戦術を学ばせる・・・・