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ローマ人の物語〈23〉危機と克服〈下〉 ( 塩野 七生 )

ローマに平和と秩序をもたらしたヴェスパシアヌスの後を継いで、ふたりの息子たちが皇位に就く。長男のティトゥスは早すぎる死によって2年間で統治を終えなければならなかった。これから皇帝修行を始めようとしていた若き弟ドミティアヌスが急遽登板することになる。彼の能力は経験が乏しい故未知数である。ネロの二の舞になるのであろうか。否、そうはならなかった。いわゆる五賢帝時代へ着実にたすきを渡すのである。その彼が暗殺されてしまう。元老院、市民、軍人たちが反旗を翻したわけではない。その真相とは? またローマ帝国きっての歴史家と評されるタキトゥスにドミティアヌスはこき下ろされる。後世の歴史家たちの意見も順ずるようだ。しかし作家・塩野七生は反対論を展開していく。彼女の考えとはいったい・・・。

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