私も、この文庫本を読んで熱気に当てられ、<BR>香港→マカオ直行した者です。<BR>ご承知のように、ここにかかれている時代から<BR>驚くほどの変貌を遂げているので、<BR>「全然違うじゃないか!」と思う人もいるでしょう。<P>でも、ちょっとまって!。<BR>「深夜特急」はガイドブックでは無いのです。<BR>ある青年が放浪のなかで感じた熱気を<P>そのまま文章に刻みつけた者なのです。<BR>だからこそガイドブックとは違う魅力を放つのでしょうし、<BR>いまだに読み継がれているのでしょう。<P>ちなみに、本人が後日書いているように、<BR>文庫本では6冊(単行本では3冊)のうち、<BR>一番魅力を放ち面白いのは1巻目の部分です<BR>(文庫では1-2巻)、シルクロードに入ってからは<P>内省的な要素が増え、ヨーロッパに入ってからは、<BR>発刊時期も初期から離れたせいもあってか、<BR>やや記録的部分が多くなっています。<P>ということで、最初の勢いで6冊読み切っても、<BR>印象に残るのは香港と、しいていうなら途中出てくる<BR>イスタンブールなのかなと個人的に感じます。<P>・・・それでも、「深夜特急」ほど、<P>読人を旅人にしてしまう本は少ないでしょう。<BR>願わくば、この本は「地球の歩き方」的利用ではなく、<BR>自分で旅を紡ぎ上げるため起爆剤として<BR>使われることをお薦めします。
この作品を読むと、どうしても休みを取って旅に出たくなってしまうので、出来る限り我慢して読まないようにしています。でも、ついつい・・・。すべて沢木さんのせいだ!!
「日本版PLAYBOY」に掲載された短編紀行文「香港流離彷徨記 飛光よ!飛光よ!」が原型になっています。<BR>テレビドラマ化されたり、某バラエティ番組でお笑い芸人が貧乏旅行する企画の元になっていたりして有名な「深夜特急」シリーズの中でも、この「香港・マカオ編」が一番面白いです。<P>著者が実際に旅をしたのは昭和49年ですから、今からもう4半世紀以上前の話しなので現在とは世情が違いますが、若者が旅を通じて感じたことを綴ったこの作品は今でも色褪せていないと思います。